なんで「でこぼこガーデン」なの?

 「でこぼこガーデン」という名前の由来は、みんな違ってみんな大切、という考え方からきています。

たとえば神経発達症(発達障害)は、脳の発達傾向の違いからくる個性であり、医学的にはASD・ADHD・LDなどの名前がついていますが、神経発達症(発達障害)は「疾患」ではなく、けっして定型発達者より「劣っている」というわけではないと、私たちは考えています。

人生はだれもが人それぞれです。それぞれがオーダーメイドの遺伝的背景・生育環境・価値観をもっていて、ひと並びに比較できるものではありません。

山あり谷ありの人生のなかで、アルコールに頼ったり、ゲームに頼ったり。ひとりでは生きていけないからこそ、人やモノに依存しながらなんとか立って今を生きていて、すべては必要だから与えられている経験なのではないでしょうか。

このような、発達傾向の違い(適性の凸凹)や人生の山あり谷あり(人生の凸凹)。

私たちは皆さんとともに一緒に向かい合って生きていきたいと思っています。
そんな思いから、私たち当事者にできる支援は何だろう?と考えた結果、でこぼこガーデンを創設するに至りました。

なんで「ガーデン」なの?と思った方もいらっしゃるかもしれません。
「ガーデン(園)」は「エピクロスの園」が由来です。

「隠れて生きよ」という言葉で有名な哲学者エピクロスは、心の平静を乱す政治や世俗にかかわることを回避して、アタラクシアによる生活を過ごす思想を説いた人ですが、晩年「エピクロスの園」という場所をつくりました。エピクロスは友愛こそ真の快楽だと考えていて、「あまり、世間や社会の摩擦に悩まされることのないように、少し距離をとって生活しよう」と思い、本当に信頼できる仲間とその家族とともに、哲学思想を議論したり自分たちの食べる分の食べ物を育てたりしながら、心穏やかにつつましく暮らしていたそうです。

私たちとつながり仲間として共同体の一つを形成することで、謂れのない差別や偏見に不安になりがちな世間や社会から少し心理的に離れて、みなさんが心穏やかに過ごせたら素敵だな、と思っています。

でこぼこがたくさんあるから面白く、逆に一筋縄ではいかないこと、つらいこともたくさんあります。

そんな人生を一緒に歩んでいくために、心を休められる陽だまりのような居場所(ガーデン)として、できることを少しでもしていけたらと願っています。



 でこぼこガーデン
CEO 住川 理恵
(夫がASD/ADHDかつアルコール依存症)